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PRIVATE PREVIEW · STORY 44

別の売場へ移すとき、ブランド名だけでなく原料も移せる。

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缶コーヒーからコーヒー豆がパン売場のあんぱんとデニッシュへ移動する水彩画
Illustration: YOMITABE

自動販売機を見る。ダイドーブレンド。飲料棚にも、ダイドーブレンド。パン売場へ行く。……ダイドーブレンド?

10月1日、『ダイドーブレンドコーヒーあんぱん』と『ダイドーブレンドコーヒーデニッシュ』が発売される。缶コーヒーが、袋に入っている。

正確には、缶コーヒーそのものではない。第一パンとダイドードリンコのコラボパン。しかも今年で13年目。ずいぶん前から、パン売場へ通っていた。

1975年へ戻る。ダイドーブレンドコーヒーが発売される。缶に入った、飲むコーヒー。2026年へ進む。同じ名前が、あんぱんとデニッシュになる。

名前だけが移った? それだけではない。二つのパンには、ダイドーのコーヒーに採用されているコーヒー生豆由来の原料が使われる。コーヒー香料は使わないという。

ロゴが移る。原料も移る。でも、飲み物は食べ物になる。

どこまで行けば、もう缶コーヒーではなくなるのだろう。あんこに入ったとき? パン生地に包まれたとき? 袋に、あのロゴが付いたままなら、まだ戻れる?

考えながら、売場をもう一度移動する。パンの隣には、もともとコーヒーが似合う。朝も、休憩も、一緒に選ばれる。

遠くへ移ったようで、食べる時間は隣のまま。缶から袋まで。売場ひとつ分の旅だった。

✑ きのゆえ