金平糖の角。あれは、どうやって付ける?
星形の型? 砂糖を流し込む? 最後に、トゲトゲを付ける? 全部、ちがった。そもそも『角を付ける工程』がない。
では、どこから来る?
佐々木製菓の作り方を見る。大きな回転釜。『銅鑼』と呼ぶ。少し傾いている。そこへ、小さなザラメを入れる。熱い糖蜜をかける。混ぜる。乾かす。また、かける。転がす。乾かす。
……角の話を調べているのに、作業はずっと丸い。
一日続けても、ザラメはわずかにしか大きくならないという。温度。釜の角度。糖蜜の量。気温。湿度。職人は、その日の条件を見ながら繰り返す。
すると、表面に小さな突起ができる。その突起へ、また糖蜜が付く。転がる。また付く。少しずつ、角になる。これが一説。
一説? 作り方は分かっている。でも、なぜ角ができるのかは、はっきり分かっていない。毎日つくっているのに。角を出すために調整できるのに。角が生まれる理由は、一つの答えにならない。
分からないまま、つくれる? つくれるから、さらに分からない。
答えを探して角を見ていたら、職人の手元へ来た。今度は、角が出なかった日の釜が気になる。金平糖の話だったはずなのに、失敗の見分け方を知りたくなっている。
角は育った。疑問も、一つ増えた。
✑ ふいろ
