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PRIVATE PREVIEW · STORY 45

角は型で付けるのではなく、糖蜜を重ねる途中で現れる。

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回転釜のそばで丸い砂糖の粒が少しずつ角のある金平糖へ育つ水彩画
Illustration: YOMITABE

金平糖の角。あれは、どうやって付ける?

星形の型? 砂糖を流し込む? 最後に、トゲトゲを付ける? 全部、ちがった。そもそも『角を付ける工程』がない。

では、どこから来る?

佐々木製菓の作り方を見る。大きな回転釜。『銅鑼』と呼ぶ。少し傾いている。そこへ、小さなザラメを入れる。熱い糖蜜をかける。混ぜる。乾かす。また、かける。転がす。乾かす。

……角の話を調べているのに、作業はずっと丸い。

一日続けても、ザラメはわずかにしか大きくならないという。温度。釜の角度。糖蜜の量。気温。湿度。職人は、その日の条件を見ながら繰り返す。

すると、表面に小さな突起ができる。その突起へ、また糖蜜が付く。転がる。また付く。少しずつ、角になる。これが一説。

一説? 作り方は分かっている。でも、なぜ角ができるのかは、はっきり分かっていない。毎日つくっているのに。角を出すために調整できるのに。角が生まれる理由は、一つの答えにならない。

分からないまま、つくれる? つくれるから、さらに分からない。

答えを探して角を見ていたら、職人の手元へ来た。今度は、角が出なかった日の釜が気になる。金平糖の話だったはずなのに、失敗の見分け方を知りたくなっている。

角は育った。疑問も、一つ増えた。

✑ ふいろ