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STORY 11

買い物前に冷蔵庫を撮るだけで、台所の景色を持って売場へ行ける。食品ロス対策より先に、暮らしの小さな変化として見る。

スーパーで、牛乳を持つ。

・・・・・・あったっけ?

家の冷蔵庫に。

朝は覚えていた。牛乳は半分。卵は四つ。豆腐ひとつ。野菜室に、にんじんと使いかけのキャベツ。

たぶん完璧。

と思って家を出たのに、もう怪しい。

そこでスマホ。

買い物前に冷蔵庫を一枚撮っておく。

それだけ。

メモしない。リストも作らない。整理もしない。

撮る。

売場で写真を開く。

牛乳、半分ある。

卵、四つ。

・・・・・・ヨーグルトもいた!

危ない。買うところだった。

消費者庁も、食品ロスを減らす工夫として、買い物前に冷蔵庫や食品庫を確認し、メモやスマートフォンの撮影をする方法を紹介している。

なるほど、食品ロス対策。

でも、売場で使うところを想像すると、もっと単純に便利そうだ。

スーパーにいるのに、画面には家の冷蔵庫がある。

野菜売場で、家の野菜室を見る。

台所をポケットに入れて買い物してるみたいだ。

開いた冷蔵庫と、その中身を写したスマートフォンのラフな水彩イラスト
売場でスマホを開くと、家の冷蔵庫がすぐそばに戻ってくる。Illustration: YOMITABE

これなら牛乳を買わずに済むかもしれない。

代わりに、写真に写っていなかった納豆を買う。そんな使い方もできそうだ。

帰ったらまた冷蔵庫へ。

・・・・・・次の買い物前、この写真まだ使えるかな?

いや、さすがに撮り直そう。