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STORY 17

備蓄を何を買うかだけでなく、食べものを家のどこに置くかという空間の問題として見る。

水は玄関の近く。米は台所。缶詰は引き出しの奥。

家の中にある食べものを思い浮かべると、いくつも扉を開けることになる。

米や缶詰、水、野菜を置いた小さな食品棚の、水彩イラスト
食べものを置く場所。まずは、棚の一段から。Illustration: YOMITABE

食品庫。パントリー。扉を一枚開ければ、そこにまとまっている。そんな場所があったら、ツナ缶を探して三つの棚をのぞかなくて済みそうだ。

農林水産省は、普段の食品を少し多めに備え、食べた分を補うローリングストックを紹介している。買うものはすぐ浮かぶ。水、缶詰、レトルト食品。

けれど、買って帰ったところで別の問いが待っている。

どこに置く?

専用の一部屋を増やすのは難しい。棚の一段なら、空けられるだろうか。袋や箱に書かれた保存方法を見ながら、熱や湿気のこもらない置き場所を考える。

奥へ押し込むと、買ったことごと忘れそうだ。手前に出しすぎると、今度は毎日の茶碗が取りにくい。食べもの一つぶんの場所をつくるだけでも、台所の中を少し歩き回る。

食品庫という部屋がなくても、食品庫のことは考えられる。

まずは、その棚の扉を開けてみる。