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STORY 26

花は飾るもの、という感覚の横で、山形では食用菊が日常の青果として並ぶ。『花を買う』という同じ行為が、食卓へ向かう瞬間を見る。

紫の花が、袋に入っている。

スーパーの野菜売場。

菊。

・・・・・・菊?

花屋じゃなくて?

山形では、秋になると食用菊が青果売場に並ぶ。

黄色もある。紫もある。

紫色の「もってのほか」は、花びらをむしって、さっと茹でる。

おひたし。酢の物。和え物。

つまり今日は、花を買って帰って、晩ごはんにする。

透明な袋に入った紫の食用菊を描いた、水彩イラスト
今日は紫の菊を一袋。花瓶ではなく、冷蔵庫へ。Illustration: YOMITABE

なんか、いい。

袋を開ける。

花びらを外す。

一枚。

また一枚。

・・・・・・これ、食材を下ごしらえしているのか、花占いをしているのか、ちょっと分からなくなる。

お湯へ。

紫色がふわっと沈む。

茹で上がると、しゃきっとした食感が残るという。

花なのに、しゃきしゃき。

そこも少し意外だ。

花は飾るもの。

そう思っていたけれど、食べる花もある。

・・・・・・いや、それだけか。

山形では、ずっと普通に食べてきた。

こっちが勝手に驚いているだけだ。

今日は紫の菊を一袋。

花瓶には入れない。

冷蔵庫へ。