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← 指で、河原まで歩く
PLACE


食べものが、人を家の外へ連れ出す。

01

山形の芋煮会の話を読むと、秋の河原へ行ってみたくなる。

河原へ行く。

鍋をする。

山形では、これがかなり普通らしい。

02

スーパーの売場に里芋。牛肉。こんにゃく。ねぎ。

芋煮の季節。

ここまでは分かる。

03

鍋。

薪。

ゴザ。

・・・・・・ゴザまで?

芋煮会用に、まとめて借りられるという。

そこまで揃ったら、もう河原へ行くしかない。

04

袋を持って外へ出る。

家に帰らない。

川の方へ向かう。

少しずつ建物が減る。

空が広くなる。

05

火がある。

人がいる。

湯気が上がっている。

秋のピクニック、と言えば近いのかな。

でも、お弁当を持っていくのとは少し違う。

河原の石と薪の上で芋煮を煮る鍋と器の、水彩イラスト
鍋を持って、川の方へ。河原でつくる秋の食事。Illustration: YOMITABE
06

里芋を煮る。

牛肉を入れる。

ねぎを入れる。

待つ。

そのあいだに話す。

07

山形の芋煮会は、家族や友人だけでなく、地域の行事や運動会のあとにも開かれてきた。新年会や忘年会と並ぶ年間行事のひとつ、とまでいわれる。

鍋料理なのに、食べものだけの話じゃない。

秋になったら、外へ出る理由になる。

08

いい匂い。

鍋のふたが開く。

湯気。

器を持って並ぶ。

そんなふうに河原で食べたら、来た理由なんて忘れてしまいそうだ。

熱い。

でも、もうひと口。