食べものが、人を家の外へ連れ出す。
山形の芋煮会の話を読むと、秋の河原へ行ってみたくなる。
河原へ行く。
鍋をする。
山形では、これがかなり普通らしい。
駅から街へ。
スーパーの売場に里芋。牛肉。こんにゃく。ねぎ。
芋煮の季節。
ここまでは分かる。
でも、その先。
鍋。
薪。
ゴザ。
・・・・・・ゴザまで?
芋煮会用に、まとめて借りられるという。
そこまで揃ったら、もう河原へ行くしかない。
袋を持って外へ出る。
家に帰らない。
川の方へ向かう。
少しずつ建物が減る。
空が広くなる。
河原には、あちこちに鍋。
火がある。
人がいる。
湯気が上がっている。
秋のピクニック、と言えば近いのかな。
でも、お弁当を持っていくのとは少し違う。

河原でつくる。
里芋を煮る。
牛肉を入れる。
ねぎを入れる。
待つ。
そのあいだに話す。
山形の芋煮会は、家族や友人だけでなく、地域の行事や運動会のあとにも開かれてきた。新年会や忘年会と並ぶ年間行事のひとつ、とまでいわれる。
鍋料理なのに、食べものだけの話じゃない。
秋になったら、外へ出る理由になる。
・・・・・・あ。
いい匂い。
鍋のふたが開く。
湯気。
器を持って並ぶ。
そんなふうに河原で食べたら、来た理由なんて忘れてしまいそうだ。
熱い。
でも、もうひと口。