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PRIVATE PREVIEW · STORY 42

『塗るもの』は、菓子の中へ入ると層になる。

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りんごバターの瓶とトーストから、りんごのタルトへつながる水彩画
Illustration: YOMITABE

りんごバター。

パンに塗るもの。

焼いたパンに、瓶から少し。真ん中だけ厚い。端まで、ちょっと足りない。まあ、いいか。

そのりんごバターが、タルトになる。

10月1日発売。Pasco『りんごバターのタルト』。パンじゃない!

しかも、りんごバターをそのまま塗ったタルトでもない。タルト生地。りんごバターをイメージしたクリーム。ケーキ生地。その上に、ふじりんごのプレザーブ。

瓶の中では一つだった味が、タルトの中で分かれている。塗るものが、層になった。

りんごバターは、もう瓶の名前だけじゃないのか。りんごとバターを合わせた、味の名前?

そう考えると、少し分かる。アップルタルトより、朝っぽい。ジャムパンより、おやつっぽい。タルトなのに、トーストの隣にあった瓶を思い出す。

スーパーで見つけたら、たぶん一度、パン売場のほうを見る。りんごバターは、そっちにいるはずだから。

でも手に持っているのは、タルト。売場の中で、ちょっと迷子になる。

✑ まのえ