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STORY 05

お供えにも、おやつにもなるおはぎ。同じものを違う理由で食べる人がいることで、昔からの食が日常に残っていく。

コンビニでおはぎを見かけると、甘いものが食べたい気持ちより先に、「あ、お彼岸か」と思うことがある。

でも、なぜお彼岸におはぎなのか。名前はよく知っているのに、そこを説明しようとすると止まってしまう。

農林水産省の紹介を読むと、小豆の赤い色には災いを払う力があると考えられ、お供えに用いられてきたという。米と小豆でできた、あの一個にそんな役目があった。

春はぼたもち、秋はおはぎ。名前には、それぞれの季節に咲く牡丹と萩が関係しているという。

花の名前だったのか。

小豆の赤から、春の牡丹、秋の萩へ。お菓子を調べていたはずが、しばらく花のことを考えている。

いまの売場へ戻ろう。たとえば、小さなおはぎが四つ、透明なパックに収まっていたら。

透明なパックに四つのおはぎを並べた、ラフな水彩イラスト
小さなおはぎを四つ。透明なパックに収めたら、という売場の想像。Illustration: YOMITABE

昔の人に見せたら、何を気にするだろう。小ささか。四つという数か。それとも、ふたを開けずに中が見えることか。

家で作るおはぎも、和菓子屋で選ぶおはぎも、コンビニで買うおはぎもある。お供えにする人と、おやつにする人が、同じものを手に取る。

昔と同じ理由で食べなくても、食べものは残っていく。その名前が、お彼岸を思い出させることもある。

おはぎを買う理由まで、一つに決めなくてよさそうだ。

いまは、きなこのおはぎが食べたい。