コンビニでおはぎを見かけると、甘いものが食べたい気持ちより先に、「あ、お彼岸か」と思うことがある。
でも、なぜお彼岸におはぎなのか。名前はよく知っているのに、そこを説明しようとすると止まってしまう。
農林水産省の紹介を読むと、小豆の赤い色には災いを払う力があると考えられ、お供えに用いられてきたという。米と小豆でできた、あの一個にそんな役目があった。
春はぼたもち、秋はおはぎ。名前には、それぞれの季節に咲く牡丹と萩が関係しているという。
花の名前だったのか。
小豆の赤から、春の牡丹、秋の萩へ。お菓子を調べていたはずが、しばらく花のことを考えている。
いまの売場へ戻ろう。たとえば、小さなおはぎが四つ、透明なパックに収まっていたら。

昔の人に見せたら、何を気にするだろう。小ささか。四つという数か。それとも、ふたを開けずに中が見えることか。
家で作るおはぎも、和菓子屋で選ぶおはぎも、コンビニで買うおはぎもある。お供えにする人と、おやつにする人が、同じものを手に取る。
昔と同じ理由で食べなくても、食べものは残っていく。その名前が、お彼岸を思い出させることもある。
おはぎを買う理由まで、一つに決めなくてよさそうだ。
いまは、きなこのおはぎが食べたい。