薄紫色の実が、ぱかっと開いている。
あけび。
中には白くて、やわらかそうな果肉。
うん。食べるなら、そこだと思う。
山形では――
皮を食べる。
・・・・・・そっち!?
中の白いところじゃなくて?
農林水産省の郷土料理資料を見ると、全国的には種のまわりの白い部分を食べるのが一般的。でも山形には、あけびの皮を料理して食べる文化があるという。
皮。
改めて見る。
厚い。
つるんとしている。
紫と緑のあいだみたいな色。
これを、器みたいに使う。
中身を取り出す。
舞茸やしめじ、みょうがを炒める。
味噌と砂糖で味をつける。
それを皮の中へ戻す。
たこ糸で、きゅっ。

フライパンで焼く。
・・・・・・果物だったよね?
途中から完全に「おかず」の顔をしている。
しかも皮は、ほろ苦いらしい。味噌と合わせると食べやすく、煮たり炒めたりすると味をよく含むという。
ちょっとナスっぽい?
触ってみたい。
切ったところも見たい。
焼いたら紫色はどうなるんだろう。
こなゆらは、こういうとき味より先に形が気になる。
・・・・・・いや、皮を食べるなら味もかなり気になる。
山形では、あけびは8月中旬から10月中旬ごろが季節。内陸部では、裏山から採ってきたり、庭で育てたり、ご近所からもらったりする感覚もあるという。
スーパーで珍しい果物を一個買う、とは少し違う。
秋になったら、そこにある。
もらったら、皮まで料理する。
中身を食べて、皮を捨てる。
私ならたぶん、そうする。
でも場所が変わると、捨てようとした方が今日のおかずになる。
あけび。
次に見つけたら、たぶん中より先に外側を見る。
・・・・・・この皮、本当に食べるんだ。
一度、焼いたところを見てみたい。