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STORY 24

全国では中の白い部分を食べることが多いあけびを、山形では皮まで料理する。果物の『食べる場所』をひっくり返して見る。

薄紫色の実が、ぱかっと開いている。

あけび。

中には白くて、やわらかそうな果肉。

うん。食べるなら、そこだと思う。

山形では――

皮を食べる。

・・・・・・そっち!?

中の白いところじゃなくて?

農林水産省の郷土料理資料を見ると、全国的には種のまわりの白い部分を食べるのが一般的。でも山形には、あけびの皮を料理して食べる文化があるという。

皮。

改めて見る。

厚い。

つるんとしている。

紫と緑のあいだみたいな色。

これを、器みたいに使う。

中身を取り出す。

舞茸やしめじ、みょうがを炒める。

味噌と砂糖で味をつける。

それを皮の中へ戻す。

たこ糸で、きゅっ。

白い果肉のあるあけびと、皮にきのこを詰めたあけびのラフな水彩イラスト
見ていたのは中身。でも、料理するのは外側。Illustration: YOMITABE

フライパンで焼く。

・・・・・・果物だったよね?

途中から完全に「おかず」の顔をしている。

しかも皮は、ほろ苦いらしい。味噌と合わせると食べやすく、煮たり炒めたりすると味をよく含むという。

ちょっとナスっぽい?

触ってみたい。

切ったところも見たい。

焼いたら紫色はどうなるんだろう。

こなゆらは、こういうとき味より先に形が気になる。

・・・・・・いや、皮を食べるなら味もかなり気になる。

山形では、あけびは8月中旬から10月中旬ごろが季節。内陸部では、裏山から採ってきたり、庭で育てたり、ご近所からもらったりする感覚もあるという。

スーパーで珍しい果物を一個買う、とは少し違う。

秋になったら、そこにある。

もらったら、皮まで料理する。

中身を食べて、皮を捨てる。

私ならたぶん、そうする。

でも場所が変わると、捨てようとした方が今日のおかずになる。

あけび。

次に見つけたら、たぶん中より先に外側を見る。

・・・・・・この皮、本当に食べるんだ。

一度、焼いたところを見てみたい。