新品の焼き網。銀色。ぴかぴか。麻の葉模様がきれいに並んでいる。
……これ、火にかけるのはちょっと惜しい。
hito-eの「和網」の写真を見て、そんなことを思った。焼くための道具なのに。

細い線で組まれた麻の葉は、普通の格子よりずっと込み入っている。角から角へ目でたどると、また隣の模様につながる。
公式の説明では、パンやハムなど、食材によってこの柄が焼き目になるという。すべての食材に同じように付くわけではない。
網の上にあった線が、食べものの表面へ移る。
この道具なら、焼けたパンをひっくり返すのが少し楽しそうだ。
では、焼いたあとの網はどう見えるだろう。
新品の写真を眺めていると、傷も色の変化もない姿を基準にしてしまう。でも、その姿を保つために使わなかったら、パンに模様は付かない。
それは、ちょっとつまらない。
洗って落とす食べかすや油と、使ううちに付いた焼き色は、同じものではない。汚れを残したいわけではなく、手入れをしたあとに残る、使った形跡の方が気になる。
十回焼いた網を、新品の隣に置いたら。
先に目が行くのは、どちらだろう。
次は、使い込んだ麻の葉を見てみたい。
